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耐震の話1(最低か最適か?)

木造住宅の耐震について不安があるが、実態が良く分からない。

そのような声にお応えするため、当ブログにて住まいの耐震についてのコラムを不定期で連載したいと思います。これから住宅を建てようと考える方が知っていて損はしない話を集約するよう努めたいと思います。

ご存知の通り、日本では建築基準法に従い建物を建てるのが大原則なのですが、その第1条で記している基準法の目的においては、「最低の基準を定める」と記しています。「最適」ではありません。つまり「この法律には最低の基準を書いていますのでこれを守れば罰則はないですよ、建物をさらに強靭にする時は、建主と施工者で決めて下さいね。」ということです。

当然ながら、建物の強度を落とせば落とすほど原価を下げることができますので、最低のギリギリの強度で建物を建てる施工者も存在しています。

ただそれが将来の不確実な地震に対して危険かどうかについては、何とも言えないところがあります。断言できるのは、耐震強度を強くすればするほど、倒壊や損傷のリスクは下げられるということです。ただし、100%安全とは言い切れません。地震に関して未知な事があまりにも多いからです。

古い家屋が地震で倒壊したという事例は枚挙にいとまがありません。理由は古い耐震基準が緩いため、巨大地震への備えが不十分だったからです。

それが、2016年4月の熊本地震で最新の耐震基準の住宅が倒壊したという事態が発生しました。1回目の地震で建物の一部が損傷し耐震強度が弱くなったところに、2回目の地震が来て倒壊した様です。倒壊した住宅の中には、ハウスメーカーの住宅も含まれていた様で、最新の耐震基準でも絶対はないという実例が発生してしまいました。

この結果、最低の基準ではもはや物足らないという通念が、最近では出来上がりつつあります。(後日へ続きます)