2019.12.19
住宅には目に見えない細かい隙間があり、外の空気が壁などを通過して室内へ入ります。風が強い日、隙間風が入ってきた。そんなご経験はありませんか?これを防ぐ性能を「気密性能」と言います。今回は、この気密性能について解説します。
気密性能とは?
気密性能とは、その建物がどの程度気密であるかという性能のこと。言い換えれば、どの程度隙間があるかを示す性能のことです。近頃は、気密のこだわりを各社でアピールしているので、ご存知の方も多いと思います。
気密確保のための特殊な工事を挙げてみますと、
1) 壁、天井、床の内部を、サランラップの様なシートで隙間なく包み込む方法
2) 柱や断熱材同士のすき間を、テープを張り付け埋める方法
3) 現場施工の吹付断熱材そのもので高気密とする方法
などです。
工事の品質に注意!
ただ、高い気密性能である程、コストに跳ね返ります。そして現場の施工不良があれば、性能を全く発揮しない場合もあります。各種建材は気候風土の影響から、時間と共に微妙に収縮するため、精度の高い気密工事が長期間その性能を100%維持できるとは言い切れず、単純にパンフレットの性能を信用することができないのが事実です。
実際に、お客様が住む住宅の気密性能は、完成後に計測した性能で初めて判明します。施工精度に大きく影響を受けるからです。気密性能を追求される場合には、先ずはこの事実を踏まえて、施工品質の高い工事ができる会社を選ぶことが最も大切です。
当社ライフピースは、施工レベルの評価について高い評価をいただいています。全国的にも上位ランクの施工品質を確保しています。
【参考記事】1354社中12位ではありますが・・・
ご希望の方へは施工現場をご案内しますので、お気軽にお申し付けください。
気密性能を確保すべき理由
次に、気密性能を確保すべき理由をまとめます。
1) 隙間風の防止による快適性の向上。
2) 隙間風による暖冷房負荷の低減(つまり省エネ)。
3) 壁体内部での結露の防止。
4) 設計で意図した換気性能の確保。
1)、2)については、熱の移動を止められるということです。冬の寒い隙間風が消えるというのをイメージしていただければと思います。
3) 壁体内部での結露の防止
壁体内部での結露とは、例えば冬場の暖房時、温度が高くて湿気を帯びた室内の空気が壁の中に侵入し、その空気が壁の中で冷えて、空気中の水分が水滴となることです。
壁の中に水滴が溜まれば断熱材が水分を含みます。すると断熱材の性能が低下したり、断熱材が重くなって下の方にずれたりします。ひどい場合は木材が腐ったりします。
防湿シートを室内側壁の裏側に施工して、この問題を解決しますが、この防湿シートが気密を高める役割を兼ねています。従って、気密性を確保する目的の一つとして、この壁体内結露の防止が挙げられます。
4) 設計で意図した換気性能の確保
室内の空気を新鮮に保つために、設計段階で換気量を計画することが、法律で義務付けられています。
機械設備で排気する場合、設置した給気口から新鮮な空気を取り入れることを計画しますが、もし気密性能が十分に確保されない住宅であれば、給気口ではなく壁、床、天井などの隙間からの空気を取り入れてしまいます(漏気と言います)。
すると空気が交換されない場所ができたり、そもそも家全体換気量が減ったりして、空気の鮮度を保てなくなります。
以上の4点が、気密を確保すべき理由です。
気密性能を測る指標。C値(相当すき間面積)について
それでは、実際どれくらいの気密性能を確保すればいいのでしょうか。
これを判断するための指標を、C値(相当すき間面積)と言います。最近住宅業界が注目している指標なので、ご存知の方も多いと思います。C値は家全体の気密性能を測る指標で、小さい数字ほど優れています。
当社では、C値=0.6程度を確保しています。関西地域では十分過ぎる数値だと思いますし、これ以上競ってもコストアップになるだけで、さほど意味が無いと思います。
ただし近年ではゼロエネ住宅も注目されていますので、トステムのスーパーウォールをご希望されるお客様に対応できる体制を準備しています。スーパーウォールではC値の基準を1.0以下としていますが、実際測定するとそれよりもグッといい数字になると思います。
換気をしっかりとすることが大切。
1つだけ注意しておきたいのは、換気の事。換気設備にはフィルターが設けられていて、1~2か月も経てば埃やチリが詰まっています。新鮮な空気を入れ替えるためにも、マメにフィルターの清掃をすることをお奨めします。高気密住宅で換気を怠ると、シックハウス症候群などの深刻な疾患に罹るリスクが高まります。
最後に
今回は、気密についてご説明しました。当社では気密施工や換気設備など、標準設定は無く、お客様のご要望に応じて都度適切なご提案をしています。
いつでもお気軽にご相談下さい。