2018.04.03
コストパフォーマンス向上への取り組み
一品生産品である注文住宅。住まい手の費用対満足度の極大化こそが最もノウハウが求められる場面です。高価な設備機器や建材を使えば、自動的に満足できる家ができることは決してありません。同じ機器や建材を使っても会社や担当者次第で、完成品は全く別物となってしまいます。
お客様の想定予算の中で、どれだけご満足いただける住まいを計画し施工できるかという手腕が問われます。当社としましても未だ完璧であるとは思っていません。別記にありますように標準仕様を設定していないので、仕入れや設計・施工の様々な場面で原価を落とすにあたり不利に働きますが、そこは別の角度から解決する取り組みに着手しています。ここでは、費用削減への取り組みの一部をご紹介します。
(1)建物原価を下げる工夫
当社は職人との関係が非常に密接で、原価を抑えることができている大きな理由がここにあります。詳しくはこちらをご覧ください。
(2)少数精鋭主義
住宅会社経営にあたり費用負担が大きいのは人件費です。市場が右肩上がりの時代は、会社の規模を追うために先行投資としての大量採用も許されましたが今は事情が異なります。市場が縮小し、かつ、市場ニーズの多様化・複雑化が加速される中での規模拡大は、機動性が損なわれます。余りにも無謀な戦略であると結論づけています。そもそも注文住宅事業は、知識集約型の高付加価値産業ですので、単なる御用聞きや作業員とみなされる職員は似つかわしくありません。
従いまして、当社は、真のプロフェッショナルとして認められる人材のみで構成する方針を貫いています。またそのようなプロフェッショナルに対しては、労働分配率が適正であれば、実績相応の報酬を提供することが妥当であると考えています。
(3)営業費用の大幅削減
そもそも日本の家づくりは、地域密着の大工さんが地元の方のために家をつくり続けてきました。広告など不要な時代でした。それが、大量生産を前提とするハウスメーカーが出現しスタンダードを獲得した事で業界のマーケティング事情が変わり、大手どころか地方の中小どの会社も広告宣伝費の負担を余儀なくされました。当然ながら広告宣伝費はお客様に提示する価格に上乗せされていますので、それが不要だった時代と比べると釈然としない感覚は、多かれ少なかれどなたにもあるのではと常々感じていました。
それがインターネットの出現で事情が変わりつつあります。消費者がマスマーケティングの技巧に惑わされず、自分自身で情報を集めて判断するという時代へと変わりました。従いまして、当社では自社と接触していただく認知広告を必要最小限とするに留め、新聞折込などの反響広告は原則廃止し、マス媒体の広告宣伝費をできる限り削減する方針としています。
更に、いわゆる営業担当者というポジションを数年前より廃止し人件費を削減しています。代わりに、営業の費用対効果が極めて高いウェブサイトを利活用することで、一般の皆様に情報発信をし続けることを基本方針としています。この結果、従来営業担当者とマス広告が担っていた役割をウェブサイトが十分代替できることが検証され今に至っています。
これからの時代、限界費用が限りなくゼロへと近づく社会へと突き進むでしょう。企業活動を担う私たちとしても、これから飛躍的に進歩するであろうIOT始め、様々な技術を活用したコスト削減に取り組む必要があります。同時に、人にしかできない総合的・複合的な能力が要求される業務で求められる水準も上がり続けるでしょう。後述にもありますが、当社は職員の多能工化を促進する方針で、且つ、チャレンジングにビジネスに取り組む風土を尊重しています。これまで蓄積された技能を基盤にした水平展開の機会も常に模索しています。
時代の流れに対応した然るべき取り組みを粛々と着実に実践することが、お客様への価値の提供につながると確信しています。